ライフラインをとめられて胃も小さく

  1. ニート 絲山 秋子著
「ニート」「ベル・エポック」「2+1」「へたれ」「愛なんかいらねー」の5編、短編集です。「キミ」が固有名詞なのか二人称なのかわからずじまいで、それがまた良かったりします。

ニート、という題名から勝手に「主人公がニートでうだうだしてる話なのかな」と思っていました。しかし、「そこそこ稼いでいる文筆業の女性が、過去つきあっていた男の窮状をどうにか救ってやろう(でも負担に思わせないように)と画策する」話でした。私はこの女性にどうにも感情移入してしまって、ふたりの心地よい距離感、他人行儀のような無礼講のような間柄がとても気になりました。語り手の女性が、(もしキミがよければ)「趣味の車みたいにまるごと引き取ってやる。」と独白するくだりは久しぶりに感動しました。
ただ、他のレビューにもあるように、読み手を選ぶ内容だと思います。「愛なんかいらねー」は私にはちょっと、きつい。友人にすすめにくい。エロ短編ばかりの作品なら読んでみたいですが、最後にこの作品がぽんと来るのは毒がきついです。
ブランキーやスチャダラパーが好きなかたにおすすめしたいです。私とも音楽の趣味が似ているようですし、文章も好みなので、この作家さんをしばらく読んでみたいと思います。
07年05月22日 | 作家 あ行